入れ歯(義歯)の保険適用について

入れ歯は保険で作ることができます。ただし、機能面で物足りなさがあるので、自費負担の入れ歯を作るという選択肢もあります。

 

ここで、保険で作る入れ歯の弱点をいくつかご紹介しましょう。

 

・弱点1:出来あいの人工歯から選んで使うので、天然歯との違いが目立つ。

人の歯の色や形は様々です。白に近い人もいれば、茶色に変色している方もいます。

保険でつくる入れ歯は、大量生産された出来合いの物から、最も近い色・形のものを選ぶことになります。

つまり、天然歯の部分と入れ歯の部分とで色や形の違いが目立ってしまい、美しくないと同時に周囲の人に入れ歯であることが悟られやすいという欠点があります。

 

・弱点2:“スピード重視”で作られることが多く、使い心地が悪いものが出来上がる

歯科医の立場としては、安い価格で作らねばならないので、採算を合わせるためにスピード重視の診療になりがちです。

本来の入れ歯は、体の一部として最高に機能するように、ミリ単位どころではない精度が要求されるもの。私の場合、1000分の1mm単位で調整します。

精度が低いと、口の中の違和感で24時間悩まされ、噛み合わせも悪くなります。そうなると、歯茎の痛み、肩こりなどの二次的な悪影響に悩まされることもあるでしょう。

 

・弱点3:印象採得(型どり)が1回しかできない

弱点2でも述べたように、最高の入れ歯にするためには、最高の精度が求められます。

精度を高くするためには、「印象採得」つまり、口のなかの型どりを精密に行わなければなりません。

保険では、この「印象採得」は1回しかできません。

しかし本当に精密に、ピッタリな入れ歯をつくろうと思うと、1回だけでは足りないことが珍しくないのです。

 

・弱点4:素材が限定されている。破損しやすく、アレルギーを引き起こすことも

保険が適用される入れ歯は、素材が限られています。本当に安いものしか使えません。

銀合金・パラジウム合金などの金属が使わることになるのですが、これらの金属にアレルギーを持つ人もいます

また、人工歯や、人工歯を支える「床」の部分に使われる素材も限られており、自費負担でつくるものと比べれば破損やすり減りしやすいと言えるでしょう。

 

弱点ばかりご紹介しましたが、歯の状態次第では、保険の入れ歯でも充分だという場合もあります。

歯科医の先生としっかり話しあって、納得のいくものを作るようにしてください。